~老後資金は不要?「DIE WITH ZERO」式 人生を豊かにするお金の使い方~
「老後資金2,000万円問題」が話題となり、多くの人が将来の不安から貯蓄に励んでいます。
しかし、本当に「貯めること」だけが正解なのでしょうか?
『DIE WITH ZERO(ダイ・ウィズ・ゼロ)』(ビル・パーキンス著)は、「お金は人生を豊かにする“経験”のために使うべき」と説く、新しいお金の教科書です。
本記事では、本書の要点を解説し、あなたがお金を「使う」ことで、より充実した人生を送るための具体的な方法を提案します。
今のお金の使い方に疑問を感じている方、「人生の最期に後悔したくない!」と考えている方、必見です!
『DIE WITH ZERO』とは?
『DIE WITH ZERO』は、ヘッジファンドマネージャーであり、エネルギー取引で財を成したビル・パーキンスによる著書です。
彼は、金融の世界で成功を収めた後、「人生を最大限に楽しむための資産活用法」について考えるようになりました。
その結論が、本書のタイトルにもなっている「ゼロで死ぬ(DIE WITH ZERO)」という概念です。
つまり、「お金を残して死ぬのではなく、人生の各ステージで最適にお金を使い、価値ある経験を最大化するべき」という考え方を提案しています。
『DIE WITH ZERO』の要点と私の考察
本書の重要なセクションごとに、要点をわかりやすく解説し、私自身の考察(実体験や感想)も交えながら、本書の魅力を深掘りしていきます。
1. 人生を最大化するために「DIE WITH ZERO」を目指す
- お金は「貯める」より「使う」ことが重要
- 人生の最後にお金を余らせても意味がない
- 貯金の目的は「安心」ではなく「経験」
日本では「老後のために貯金すること」が美徳とされています。
しかし、著者は「お金を使わずに亡くなるのは、機会損失である」と指摘します。
貯めることにフォーカスしすぎると、人生の貴重な経験を逃してしまうのです。
ビル・パーキンスは以下のように述べています。
「金儲けの最終目標は、それで得た金を、自分が本当にやりたいことのために使うことだ。富を経験と交換することだ。」(『DIE WITH ZERO』より)
私自身の経験:
私も以前は「老後資金が不安」と貯金ばかり考えていましたが、本書を読んで考え方が変わりました。
最近では、若い今だからこそできる経験として、学生時代からの念願だったヨーロッパ旅行を計画しています。
貯金は減りますが、それ以上に価値のある経験が得られると確信しています。
もちろん、無計画にお金を使うのは良くないので、現在の収入と支出を計算した上で、無理のない範囲で実行予定です。
2. すべての経験には適切なタイミングがある
- 若いときにしかできないことがある
- 年齢ごとに最適な経験を意識し、後回しにしない
20代でできる旅行、30代でしか挑戦できない仕事、40代で楽しめる趣味など、すべての経験には適切なタイミングがあると著者は言います。
年を取ると健康や体力が衰え、お金があっても楽しめないという事態になりかねません。
具体的な例:
- 20代: バックパッカーで世界一周旅行、ワーキングホリデーで海外生活、気になる異業種への転職
- 30代: スカイダイビングやスキューバダイビングなどのアクティビティ、子供との海外旅行、マイホーム購入
- 40代: 家族とのキャンピングカー旅行、子どもの留学費用、趣味の教室に通う、若い頃とは違った高級な旅行
私の考え:
「いつかやろう」は、永遠に訪れないかもしれません。
「今」という時間を大切にし、経験できるうちに挑戦することが重要だと感じます。
いつか子供とスキューバダイビングをしたいと思っているので、体力のあるうちに、ライセンスを取るためにスクールに通おうかと考えています。
3. 健康・時間・お金のバランスを考える
- お金だけあっても、健康がなければ意味がない
- 人生の「ピーク」は人それぞれなので、自分に合ったバランスを見つける
多くの人は「お金を貯めれば安心」と思っていますが、健康が損なわれたら、お金を使っても楽しめません。
著者は「健康・時間・お金のバランスを考えながら人生設計をすべき」と述べています。
具体的な例:
70歳で1億円持っていても、病気で自由に動けなければ、できる経験は限られます。
健康なうちに、自分の時間を使って、価値ある経験を得るべきです。
また、若い頃は、お金はないけど、時間と健康は比較的あります。
逆に歳を取ってくると、お金は若い頃よりあるけど、健康が損なわれ、仕事の責任も大きくなり時間が無くなってきます。
私のアクション:
健康寿命を延ばすために、適度な運動とバランスの良い食事を心がけています。
「健康も資産である」という考え方は、本書で得られた大きな気づきの一つです。
毎日のランニングと、自炊中心の生活で健康な体を維持していきます。
4. 余ったお金は生きているうちに渡す
- 遺産として残すより、生前贈与した方が価値がある
- 子どもや大切な人に「必要なときに」与えるべき
「子どもに遺産を残すために貯めておく」という考えも見直すべきです。
著者は「子どもが一番お金を必要とするのは、20代~40代の時期」だと指摘しています。
そのため、遺産として残すよりも、早い段階で生前贈与する方が合理的です。
具体例:
例えば、30歳で住宅購入資金が必要なときに親から援助があれば、住宅ローンの負担を軽減でき、その分、子供の教育費や経験にお金を使うことができます。
80歳で遺産をもらっても、子供はすでに家を持っており、子供の教育も終わっているかもしれません。
私の考え:
確かに、子供が本当に必要としているタイミングで支援する方が、遺産として残すよりも価値は高いかもしれません。
教育資金や住宅購入資金など、まとまったお金が必要な時に支援することを検討してみようと思います。
5. 収入と支出のバランスを見直す
- 「貯めすぎ」が人生の満足度を下げる可能性がある
- どの段階でどれくらいのお金を使うべきかを考える
収入が増えると貯金を増やしたくなりますが、「老後のために過剰に貯めること」が必ずしも正解とは限りません。
人生の各フェーズで適切にお金を使う計画を立てることが大切です。
私のアクション:
現在の収入と支出を把握し、どの程度の貯蓄が適正か、まずは現状把握をすることにしました。
その上で、過度に貯蓄に回している分は、「自己投資」や「経験への投資」に使うよう、意識を変えていきます。
例えば、英会話スクールへの費用や、友人との旅行費用などは、積極的に使っていこうと考えています。
「DIE WITH ZERO」を実践するための具体的ステップ
本書で紹介されている「DIE WITH ZERO」の考え方を実践するために、以下のステップを提案します。
ステップ1:人生の経験リストを作成する
- 各年齢層(20代、30代、40代、50代…)で「やりたいこと」「経験したいこと」を具体的に書き出す。
- 例:
30代:家族で海外旅行
40代:子供と一緒にキャンプ
50代:夫婦でクルーズ旅行
- 例:
- それぞれの経験に、大体の費用を見積もる。
- 書き出した経験を、Googleカレンダーなどに入力する。
その際、見積もった金額も併せて記入すると、その時になって焦らずに済むのでおすすめです。
ステップ2:現在の資産状況を把握し、キャッシュフローを予測する
- 現在の収入、支出、貯蓄額を正確に把握する。
- 今後の収入見込みと支出予測を立て、キャッシュフローを予測する。
- キャッシュフロー予測ツール(無料アプリやエクセルテンプレートなど)を活用するのもおすすめ。
ステップ3:リソース(時間・健康・お金)を適切に配分する計画を立てる
- ステップ1で作成した「経験リスト」とステップ2の「キャッシュフロー予測」を照らし合わせ、実現可能な計画を立てる。
- 健康を維持するための具体的な行動計画(例:定期的な運動、バランスの良い食事)も立てる。
- 「いつ」「何に」「いくら」お金を使うのかを明確にし、「貯めすぎ」を防ぐ。
ステップ4:定期的に計画を見直し、必要に応じて修正する
- ライフイベント(結婚、出産、転職など)や経済状況の変化に応じて、計画を柔軟に見直す。
- 少なくとも年に1回は、計画全体をレビューし、必要に応じて修正する。
ステップ5:生前贈与を検討する(オプション)
- 遺産として残すのではなく、家族が「今」必要としているタイミングで、必要な金額を贈与することを検討する。
- 贈与税などの税制面も考慮し、専門家に相談するのも有効。
考えるべきことと注意点
- 「DIE WITH ZERO」は考え方のひとつであり、あなたに合ったバランスを見つけることが重要です。
- 過度な消費には注意が必要です。「経験」を口実に無計画にお金を使うのは避けましょう。
- 「DIE WITH ZERO」は「貯金するな」と言っている訳ではありません。
最低限の貯蓄は、不測の事態に備えるために必要です。
緊急時の備え(例:病気や失業)として、生活費の3ヶ月〜半年分程度の貯蓄は確保しておきましょう。 - 人生には、結婚、出産、育児、家の購入、介護など、たくさんのお金が必要なイベントがあります。
そのことを考慮した上で、いつ、何に、どれだけのお金が必要なのか、見通しを立てることが重要です。
まとめ:「今」を生き、「経験」に投資し、充実した人生を送ろう!
『DIE WITH ZERO』は、「お金を貯めること」ではなく、「お金を使って人生を最大化すること」の大切さを教えてくれる本です。
「老後のために貯金する」ことが目的になっている人は、ぜひ一度立ち止まり、今のお金の使い方を見直してみましょう。
「今」という時間は、二度と戻ってきません。
本書を参考に、「人生の経験リスト」を作成し、あなただけの充実した人生設計を始めてみませんか?
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