アドラー心理学「貢献感」とは?

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「誰かの役に立ちたい」
「自分の存在価値を見つけたい」

そんな思いを抱えながらも、周りからの評価が気になって自分らしく生きられない。
そんな経験はありませんか?

今回は、心理学者アドラーが説く「貢献感」について、実践的な方法とともにご紹介します。

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アドラーの「貢献感」とは何か

レイコ:ちゃんこ先生、アドラーの言う「貢献感」って、具体的にどういうことでしょう?
私は、やっぱり人から感謝されたり褒められたりすると嬉しいし、それが「自分は役に立っている」って実感につながると思うんです。

ちゃんこ先生:確かに人からの評価は嬉しいものですね。
でも、アドラーは「貢献感を得るために、必ずしも他者からの評価は必要ない」と考えていました。

レイコ:え?でも、評価されないのに、どうやって自分が役に立っていると感じられるんですか?

ちゃんこ先生:それが重要なポイントです。
アドラーの考える「貢献感」とは、他者からの評価によって得られるものではなく、
自分自身が「誰かの役に立っている」と実感することなのです。

つまり、「自己満足」で十分なのです。

なぜ他人からの評価を求めすぎてはいけないのか

野沢:でも、現実の仕事の世界では、上司や顧客からの評価って重要ですよね。

ちゃんこ先生:その通りです。仕事における評価制度は必要なものです。
しかし、自分の価値や存在意義まで、その評価に委ねてしまうのは危険です。

野沢:え?危険??

ちゃんこ先生:他人からの評価に依存しすぎると、二つの問題が生じます。

一つは、常に他人の目を気にして本来の自分を見失ってしまうこと。
もう一つは、評価されない時に自分の存在価値を見いだせなくなることです。

レイコ:確かに、私も子育てしていて、ママ友からの評価を気にしすぎて疲れてしまうことがあります。

ちゃんこ先生:そうですね。特にSNS時代の今は、「いいね」の数など、目に見える評価に振り回されやすい環境です。

でも、本当に大切なのは、自分が正しいと信じることを実践し、それが誰かの役に立っていると実感することです。

「貢献感」を高める具体的な方法

レイコ:具体的に、どうすれば貢献感を感じられるようになりますか?

ちゃんこ先生:3つの実践方法をお伝えしましょう。

1. 小さな行動から始める

ちゃんこ先生:まずは日常の小さな行動に目を向けてみましょう。

例えば:

  • 落ちているゴミを拾ってゴミ箱に捨てる。
  • 買い物でおつりを募金箱に入れる。
  • 電車で席を譲る
  • 職場で困っている同僚に声をかける
  • 家族の健康を考えて栄養バランスの良い食事を作る

これらは、一見些細なことに見えますが、確かな貢献です。

2. 行動の連鎖を想像する

ちゃんこ先生:自分の行動が周りの人や社会にどう影響しているか想像してみましょう。

レイコ:私は普段、主婦として家事をしたり子育てをしたりしていますけど、それがどう影響しているのでしょうか…?

ちゃんこ先生:それらはとても大切な役割ですよ。
例えば、ご主人は普段、どのようなお仕事をされていますか?

レイコ:夫は会社員として働いています。

ちゃんこ先生:なるほど。あなたが家庭を守ることで、ご主人は安心して仕事に打ち込むことができますね。
そして、ご主人が仕事を頑張ることで、会社や社会に貢献していると言えるでしょう。

レイコ:そうか…私が家で頑張ることで、夫が外で活躍できるんですね。

ちゃんこ先生:その通りです。そして、お子さんたちが元気に成長することも、未来への貢献に繋がります。
あなたの行動は、家族を通じて社会全体へと繋がっているのです。

レイコ:なんだか、自分の役割がすごく大切に思えてきました!

ちゃんこ先生:そう感じていただけたら嬉しいです。
日々の行動が、どのように繋がっているのかを意識すると貢献感も大きくなりますよ。

3. 自分の強みを活かす

ちゃんこ先生:誰にでも、その人ならではの強みがあります。その強みを活かすことで、自然な形で貢献できるはずです。

レイコ:私、お世話好きな方かもしれません。
困っている人を見ると放っておけないタイプというか…

ちゃんこ先生:それは素晴らしい強みですね!
その「お世話好き」な一面を活かして、人の役に立っていると感じたことはありますか?

レイコ:そういえば、近所に引っ越してきたばかりの方に、近くにあるおすすめのお医者さんや安いスーパーなど教えてあげたら、すごく感謝されたことがあります。

ちゃんこ先生:それこそが、あなたの強みを活かした貢献です。
お世話好きな性格を活かして、周りの人を助けることができているのですね。

レイコ:そう言われると、嬉しいです。

ちゃんこ先生:自分の強みを意識して活かすことで、より大きな貢献感を得られるでしょう。

日本や東洋の知恵に学ぶ「貢献」の本質

西郷隆盛の教え

ちゃんこ先生:「人を相手にせず天を相手にせよ」という西郷隆盛の言葉があります。

レイコ:それは、人からの評価を気にするなということですか?

ちゃんこ先生:その通りです。目先の評価ではなく、自分の良心に従って行動することの大切さを説いています。

儒教の「慎独」

ちゃんこ先生:また、儒教には「慎独(しんどく)」という教えがあります。
これは「誰も見ていない時こそ、自分の信念に従って正しく行動する」という意味です。

野沢:なるほど。誰かに評価されるためではなく、自分の信念のために行動するということですね。

よくある質問

Q
貢献感って、結局ただの自己満足ではないですか?
A

「自己満足」という言葉には否定的な響きがありますが、アドラーの言う自己満足とは、自分の行動が他者や社会に良い影響を与えているという確信のことです。これは利己的な満足とは全く異なります。

Q
仕事で評価されないと、モチベーションが下がってしまいます。どうすれば良いですか?
A

仕事の評価と自分の価値は別物です。仕事の結果に対する評価は参考にしつつも、自分の行動が組織や社会にどう貢献しているかという大きな視点で考えてみましょう。

Q
子育て中ですが、子どもが反抗的で感謝の言葉もない時、どう考えれば良いですか?
A

子育ては長く続くものです。目の前の反応だけでなく、子どもの成長という大きな視点で自分の貢献を捉えることが大切です。

まとめ

他人からの評価や感謝の言葉は、確かに嬉しいものです。
しかし、それだけに頼っていては、本当の意味での充実感は得られません。

大切なのは、自分の行動が誰かの役に立っているという実感。
それは、他人からの評価がなくても、十分に感じることができるのです。

今日から、あなたらしい「貢献」の形を見つけていってみませんか?


アドラーの説く「貢献感」とは、他人からの評価や承認を必要とせず、自分の行動が誰かの役に立っているという実感を持つこと。
それは「自己満足」で良く、むしろその方が本質的な充実感につながるのです。

「貢献感」は、自己満で良い。

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