「自分はどんな人間なんだろう?」
「なぜ、あの人はあんな行動をするんだろう?」
そんな疑問を持ったことはありませんか? アドラー心理学における「ライフスタイル」という考え方を知れば、自分自身や他者への理解が深まり、より良い人生を送るためのヒントが見えてきます。
アドラー心理学では、この「ライフスタイル」を、
「支配型」「依存型」「回避型」「有用型」の4つのタイプに分類する考え方があります。
この記事では、対話形式で、「4つのライフスタイル」について、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
さらに、あなたのライフスタイルを簡易診断できるチェックリスト付き!
自分自身のライフスタイルを知り、より充実した人生を送りましょう!
- アドラー心理学の「ライフスタイル」について理解できる
- 自分自身の性格や行動パターンを理解できる
- 他者への理解が深まり、人間関係の改善に役立つ
- より良い人生を送るためのヒントが得られる
- アドラー心理学に興味がある方
- 自分の性格や行動パターンを知りたい方
- 人間関係を改善したい方
- 自己理解を深めたい方
- より充実した人生を送りたい方
アドラー心理学における「ライフスタイル」とは?
タイキ:先生、アドラー心理学の「ライフスタイル」って、どういうものなんですか?
ちゃんこ先生:アドラー心理学における「ライフスタイル」とは、その人が人生における目標を達成するために、無意識のうちに身につけた、自己・世界に対する認識、行動のパターンのことです。
タイキ:無意識のうちに身につけた、ですか?
ちゃんこ先生:ええ。アドラーは、ライフスタイルは、主に幼少期(4~5歳頃まで)の経験や環境によって形成されると考えました。
そして、その後の人生における、基本的な行動指針や価値観となります。
しかしこれは、その人の性格や性質というわけではなく、あくまでもその人が選択した「生き方」であると、アドラーは考えました。
タイキ:生き方…、ですか?
ちゃんこ先生:その通りです。さらにアドラー自身は、この「ライフスタイル」を明確に分類していたわけではありません。
十人十色という言葉があるように、ライフスタイルは一人ひとり異なり、多様性に富んでいると考えたからです。
タイキさんが先ほど言ってくれたように、私たちには、様々な短所や欠点があります。
ですが裏を返せば、それこそが、その人の「個性」なのです。
タイキ:確かに、人それぞれ、欠点や短所はたくさんありますね。
ちゃんこ先生:しかし、後年のアドラー心理学の研究者たちが、理解を深めるために、いくつかの類型化を試みています。
その中でも、今回は「支配型」「依存型」「回避型」「有用型」の4つのタイプに分類する考え方について解説しましょう。
タイキ:4つのタイプ、ですか?
ちゃんこ先生:あくまでもこれは、理解を助けるための「類型」です。
全ての人を、この4つにきれいに分類できるわけではない、ということを理解しておいてくださいね。
またここでは触れませんが、「ゲッター」「コントローラー」「ドライバー」「ベイビー」「エキサイトメント・シーカー」「プリーザー」などに分類する考え方もあります。
タイキ:分かりました。
ちゃんこ先生:大切なのは、自分のライフスタイルを理解し、必要であれば、それをより良い方向へ変えていくことができるということです。
タイキ:ライフスタイルって、変えられるものなんですか?
ちゃんこ先生:ええ、もちろんです。
ライフスタイルは、無意識のうちに形成されたものですが、意識的に変えていくことが可能です。
アドラーは、「人間は変わることができる」という希望を、私たちに示してくれているのです。
あなたはどのタイプ? アドラー心理学「4つのライフスタイル」を徹底解説
ちゃんこ先生:それでは、4つのライフスタイルについて、詳しく見ていきましょう。
1. 支配型(利己型・収奪型)
ちゃんこ先生:支配型は、他者を支配したり、競争に勝つことで、自分の価値を証明しようとするタイプです。
タイキ:支配型、ですか。なんだか、ちょっと怖いイメージですね…。
ちゃんこ先生:そうですね。支配型は、自分の欲求を満たすためには、他人を利用することも厭わない傾向があります。
彼らは、優越感を得るためなら、手段を選びません。
アドラー心理学では、利己型、収奪型とも言われています。
タイキ:具体的には、どんな人が支配型に当てはまるんですか?
ちゃんこ先生:例えば、
- 自分の意見を押し通そうとする人
- 他人をコントロールしようとする人
- 常に競争意識が強く、負けず嫌いな人
- 権力や地位にこだわる人
などが挙げられます。
タイキ:確かに、そういう人っていますよね。
ちゃんこ先生:支配型の人は、幼少期に、親から厳しく躾けられたり、過度に競争させられたりした経験を持っていることが多いと言われています。
そのため、「自分は他人より優れていなければならない」という強い思い込みを持っているのです。
【支配型の長所と短所】
- 長所:
リーダーシップがある、目標達成能力が高い、行動力がある - 短所:
傲慢、自己中心的、他人を軽視する、人間関係でトラブルを起こしやすい
2. 依存型(寄生型)
ちゃんこ先生:依存型は、他者に依存し、助けを求めることで、自分の価値を認められようとするタイプです。
タイキ:依存型、ですか。
ちゃんこ先生:ええ。依存型の人は、自分一人では何もできないと思い込んでおり、常に誰かに頼ろうとします。
アドラー心理学では、寄生型とも言われています。
タイキ:具体的には、どんな人が依存型に当てはまるんですか?
ちゃんこ先生:例えば、
- 自分で物事を決められない人
- 他人の意見に流されやすい人
- 一人でいることを極端に恐れる人
- 過度に甘えん坊な人
などが挙げられます。
タイキ:僕、ちょっと依存型っぽいところがあるかも…。
ちゃんこ先生:依存型の人は、幼少期に、親から過保護に育てられたり、逆に、十分に愛情を受けられなかったりした経験を持っていることが多いと言われています。
そのため、「自分は一人では何もできない」「誰かに頼らなければ生きていけない」という思い込みを持っているのです。
【依存型の長所と短所】
- 長所:
素直、協調性がある、人に甘えるのが上手 - 短所:
主体性がない、意思決定ができない、責任感がない、精神的に自立できない
3. 回避型
ちゃんこ先生:回避型は、失敗や拒絶を恐れ、挑戦を避けたり、人と距離を置いたりすることで、安全を確保しようとするタイプです。
タイキ:回避型、ですか。なんだか、僕も当てはまる気がします…。
ちゃんこ先生:回避型の人は、傷つくことを極端に恐れ、できるだけ問題や困難から逃げようとします。
そのため、新しいことに挑戦したり、自分の意見を主張したりすることが苦手です。
タイキ:具体的には、どんな人が回避型に当てはまるんですか?
ちゃんこ先生:例えば、
- 人前に出ることを避ける人
- 自分の意見を言えない人
- 目立つことを嫌う人
- 責任のある立場を避ける人
などが挙げられます。
タイキ:僕、まさにそれです…。
ちゃんこ先生:回避型の人は、幼少期に、失敗を厳しく叱責されたり、他人と比較されて育ったりした経験を持っていることが多いと言われています。
そのため、「どうせ自分には無理だ」「失敗したらどうしよう」という思い込みが強くなってしまうのです。
【回避型の長所と短所】
- 長所:
慎重、リスク管理能力が高い、争いごとを好まない - 短所:
引っ込み思案、自己主張が苦手、チャンスを逃しやすい、成長の機会が少ない
4. 有用型(社会的に有用な型)
ちゃんこ先生:有用型は、共同体への貢献を通して、自分の価値を見出そうとするタイプです。アドラーが理想としたライフスタイルであり、社会的に有用な型とも呼ばれています。
タイキ:有用型、ですか。なんだか、すごく良いタイプですね!
ちゃんこ先生:ええ。有用型の人は、他者への関心が高く、社会全体の利益を考えて行動することができます。
彼らは、自分の能力を活かして、他者に貢献することに喜びを感じるのです。
タイキ:具体的には、どんな人が有用型に当てはまるんですか?
ちゃんこ先生:例えば、
- ボランティア活動に積極的に参加する人
- 困っている人に手を差し伸べる人
- 社会問題に関心を持ち、解決のために行動する人
- 他者の成長を支援することに喜びを感じる人
などが挙げられます。
タイキ:僕も、有用型になりたいです!
ちゃんこ先生:有用型の人は、幼少期に、親から適切な愛情と励ましを受けて育った経験を持っていることが多いと言われています。
そのため、自分は価値のある人間だと信じることができ、他者と協力してより良い社会を築いていこうという意欲を持っています。
【有用型の長所と短所】
- 長所:
社会的関心が高い、協調性がある、他者に貢献できる、幸福感が高い - 短所:
自己犠牲的になりすぎる場合がある、他者からの評価を気にしすぎる場合がある
簡易診断! あなたのライフスタイルはどのタイプ?
ちゃんこ先生:さて、タイキさん。4つのライフスタイルについて説明しましたが、ご自身はどのタイプに当てはまりそうですか?
タイキ:うーん、僕は依存型と回避型が強い気がします…。
ちゃんこ先生:なるほど。ここでは、あくまでも簡易的なものですが、あなたのライフスタイルを診断できるチェックリストを用意しました。
【以下の項目で、自分に当てはまると思うものにチェックを入れてみてください】
<支配型>
<依存型>
<回避型>
<有用型>
結果の解釈
- チェックが最も多いタイプが、あなたの現在のライフスタイルの傾向を表しています。
- ただし、これはあくまでも簡易的な診断です。全ての人に、この4つのタイプの要素が少しずつあるものです。
個人差があることをご理解ください。 - また、ライフスタイルは固定されたものではなく、意識的に変えていくことができます。
タイキ:なるほど、僕はやっぱり依存型と回避型が多めですね…。
ちゃんこ先生:そのようですね。しかし、それはあくまでも現時点での傾向です。
大切なのは、自分のライフスタイルを客観的に理解し、必要であれば、より良い方向へ変えていく努力をすることです。
自分のライフスタイルを知って、より良い人生を!
ちゃんこ先生:アドラー心理学の「ライフスタイル」について、理解は深まりましたか?
タイキ:はい、先生! 自分のライフスタイルを知ることで、自分の行動パターンや思考の癖が見えてきた気がします。
ちゃんこ先生:それは良かったです。アドラーは、「人間は変わることができる」と説いています。
自分のライフスタイルを、より望ましい方向へ変えていくことは、十分に可能です。
タイキ:具体的には、どうすればいいのでしょうか?
ちゃんこ先生:まずは、「自己受容」です。
以前説明した「不完全である勇気」ですね。
自分の良いところも悪いところも、全て含めて、ありのままの自分を受け入れることが大切です。
そして、次に、「他者信頼」。これは、「他者信頼の勇気」ですね。人を信じ、心を開くことが重要です。

タイキ:でも、人を信じるのって、難しいですよね…。
ちゃんこ先生:ええ。だからこそ、「勇気」が必要なのです。
そして、最後に、「貢献」です。「貢献行動の勇気」ですね。
これは、他者や社会に貢献することで、自分の存在価値を実感し、幸福感を得るということです。
タイキ:自己受容、他者信頼、そして貢献、ですね!
ちゃんこ先生:その通りです。アドラー心理学では、特に、「有用型」のライフスタイルを目指すことが理想とされています。
タイキ:有用型、ですか?
ちゃんこ先生:有用型は、他者や社会への貢献を通じて、自分の価値を見出そうとするタイプでしたね。
これは、「共同体感覚」を育むことにも繋がります。
タイキ:共同体感覚、ですか?
ちゃんこ先生:ええ。他者への関心や共感、そして所属感や貢献感などを含む、広い意味での「他者とのつながり」 を指す言葉です。
タイキ:他者とのつながり。。
ちゃんこ先生:アドラーは、この共同体感覚こそが、人間が幸福に生きるために最も重要な要素だと考えました。
「3つの勇気」を意識しながら、日々の生活の中で、少しずつ「有用型」のライフスタイルに近づいていきましょう。
まとめ:アドラー心理学「4つのライフスタイル」を理解し、幸せな人生への一歩を!
この記事では、アドラー心理学における「4つのライフスタイル」について、ちゃんこ先生とタイキさんの対話を通して、分かりやすく解説してきました。
- 支配型(利己型・収奪型):
他者を支配し、競争に勝つことで自分の価値を証明しようとする - 依存型(寄生型):
他者に依存し、助けを求めることで自分の価値を認められようとする - 回避型:
失敗や拒絶を恐れ、挑戦を避け、人と距離を置くことで安全を確保しようとする - 有用型(社会的に有用な型):
他者や社会に貢献することで、自分の価値を見出そうとする
自分のライフスタイルを知ることは、自己理解を深め、より良い人生を送るための第一歩となります。
そして、アドラー心理学は、「人間は変わることができる」という希望を与えてくれます。
あなたも、自分のライフスタイルを見つめ直し、より幸せな人生への一歩を踏み出してみませんか?
【この記事を読んだ後は、ぜひ以下の行動を!】
- 自分のライフスタイルを、改めて振り返ってみる
- 「3つの勇気」を意識して、日常生活を送ってみる
- アドラー心理学に関する書籍を読んでみる
【参考文献】
- 岸見一郎, 古賀史健. (2013). 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え. ダイヤモンド社
- 野田俊作. (2015). 性格は変えられる アドラー心理学を語る 1 . 創元社
【免責事項】
本記事は、アドラー心理学の「4つのライフスタイル」に関する一般的な解釈に基づいて作成されています。
学術的な正確性を保証するものではありませんので、ご了承ください。
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