自分のことばかり考えてはいないだろうか?
奪う人、支配する人、逃げる人、これらの人は幸せになることができないだろう。
「自分のことばかり考えている人は幸せになれない」と聞くと、ドキッとする人もいるのではないでしょうか。
私たちは、知らず知らずのうちに、自分の利益を優先したり、他人を思い通りに動かそうとしたり、面倒なことから逃げたりしてしまうことがあります。
心理学者アルフレッド・アドラーは、こうした「奪う」「支配する」「逃げる」という行動パターンが、幸せから遠ざかる原因だと指摘しています。
この記事では、アドラーの言葉をヒントに、「自分中心」の考え方が、なぜ人間関係や人生を、うまくいかなくさせてしまうのか、その理由を具体例を交えながらじっくり解説していきます。
「もしかして、自分も…」と、思い当たるところがあるなら、ぜひ最後まで読んで、本当の幸せをつかむためのヒントを見つけてください。
アドラー心理学から見た、幸せになれない人とは?
ちゃんこ先生: 今日は、アドラーの「自分のことばかり考えてはいないだろうか?奪う人、支配する人、逃げる人、これらの人は幸せになることができないだろう。」という言葉について考えていきましょう。
レイコ: ちゃんこ先生、この言葉すごく心に響きます。
「自分のことばかり考える」って、具体的にはどんな人のことを指すのでしょうか?
ちゃんこ先生: はい、レイコさん。
アドラーは「共同体感覚」が低い人を指して、このように言っているのです。
共同体感覚とは、「自分が社会やコミュニティの一員であるという感覚、そして、他者に貢献したいという気持ち」のことです。
タイキ: 共同体感覚…ですか。
僕、あんまりそういう感覚ないかもしれません。
ちゃんこ先生: タイキさん、正直に話してくれてありがとう!
現代社会では個人主義が進み、共同体感覚が希薄になっている人が増えています。
アドラーは共同体感覚が低い人は「奪う人」「支配する人」「逃げる人」のいずれかのタイプに分類されると言っています。
当たり前のように、他人の好意に甘える「奪う人」
レイコ: 「奪う人」とは、具体的にどのような人なのでしょうか?
ちゃんこ先生: 「奪う人」とは、他人の好意や助けを当たり前のように受け取り、感謝の気持ちを持たない人です。
自分の利益ばかりを考え、他人に与えることをしません。
レイコ: 例えば、いつも人にご飯をおごってもらってばかりいる人とか、仕事で自分は楽をして人に面倒な作業を、押し付ける人とかでしょうか?
ちゃんこ先生: そうですね。そういう人は、「奪う人」の典型例です。
彼らは自分が何かをしてもらうのは当然だと思っていて感謝の気持ちがありません。
さらに自分を支援してくれない人を、恨んだり怒ったりするのです。
自分の思い通りにならないと気が済まない「支配する人」
タイキ: 「支配する人」は、なんとなくイメージできます。
自分の意見を押し通したり、他人をコントロールしようとしたりする人ですよね?
ちゃんこ先生: はい、その通りです。
支配する人は、自分の価値観ややり方を他人に強要し、自分の思い通りにならないと気が済みません。
レイコ: 私のママ友にも、そういう人います。
子供の習い事でも、何でも自分が中心になって仕切らないと気が済まないみたいなんです。
ちょっと、付き合い方に、悩んでます。
ちゃんこ先生: なるほど。そういう人が身近にいると疲れてしまいますよね。
支配する人は人間関係において対等な関係を築くことが難しいのです。
なぜなら自分の考えが常に正しいと信じ込んでいるいるからです。
面倒なことから目をそらす「逃げる人」
レイコ: 「逃げる人」というのは、具体的にどんな行動を取る人なのでしょうか?
ちゃんこ先生: 「逃げる人」とは、困難な課題や人間関係のトラブルなど、面倒なことから目をそらし、問題解決を先延ばしにする人です。
タイキ: 僕、大学のレポート提出とか、いつもギリギリまで先延ばしにしちゃうんです。
もしかして、僕も「逃げる人」ですか?
ちゃんこ先生: その可能性はありますね。
逃げる人は、問題に直面することを恐れ現実から目をそらします。
その結果、問題は解決されず、さらに大きな問題へと発展してしまうことがあるのです。
また、引きこもりのような神経症患者もここに分類されます。
自分のことばかり考えると、なぜ幸せになれないのか?
野沢: 自分のことばかり考えると、なぜ幸せになれないのでしょうか?
ちゃんこ先生: それは、人間が、社会的な生き物だからです。
私たちは他者と関わり、助け合い、貢献することで幸福感を得られるようにできているのです。
孤独と疎外感…「奪う人」の行き着く先
レイコ: 「奪う人」は、周りから人が離れていき、孤独になりそうですよね。
ちゃんこ先生: そうですね。奪う人は、自分の利益ばかりを追求するため周りの人から敬遠されてしまいます。
その結果、孤独感や疎外感を深めてしまうのです。
支配欲の裏返し?…「支配する人」が抱える不安
タイキ: 「支配する人」って、実は、自信がない人なのかな?と思いました。
他人をコントロールすることで、自分の不安を紛らわせているような気がします。
ちゃんこ先生: タイキさん、鋭いですね。
支配する人は、一見、自信があるように見えますが、実は、深い不安を抱えていることが多いのです。
他人を支配することで、自分の存在価値を確認しようとしているのです。
現実逃避の代償…「逃げる人」が失う成長の機会
野沢: 「逃げる人」は、成長の機会を失ってしまいますよね。
ちゃんこ先生: はい。困難から逃げてばかりいると問題を解決する力が育たず、いつまでも未熟なままです。
また、現実逃避を続けることで自信を失い、さらに臆病になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
アドラーが示す、本当の幸せへの道:「共同体感覚」を高める
ちゃんこ先生: アドラーは、幸せな人生を送るためには「共同体感覚」を高めることが必要不可欠だと説いています。
レイコ: 共同体感覚を高めるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
ちゃんこ先生: まずは、自分だけでなく他人の幸せも考えられるようになることです。
そして、積極的に社会やコミュニティに貢献する行動を取ることです。
小さな親切、大きな一歩…できることから始める
タイキ: 社会貢献というと、大げさに聞こえますが、小さな親切から始めるのでもいいのでしょうか?
ちゃんこ先生: もちろんです。
例えば、電車で席を譲る、困っている人に声をかける、ゴミ拾いをするなど、身近なところから始めてみましょう。
「ありがとう」の言葉が、人間関係を温かくする
野沢: 感謝の気持ちを言葉で伝えることも大切ですよね。
ちゃんこ先生: はい。「ありがとう」という言葉は、人間関係を温かくする魔法の言葉です。
些細なことでも感謝の気持ちを言葉で伝えるように心がけましょう。
ボランティア活動で広がる世界…新しい自分に出会う
レイコ: 何かボランティア活動を始めてみるのもいいかもしれませんね。
ちゃんこ先生: そうですね。ボランティア活動に参加することで、新しい出会いがあり自分の世界が広がります。
また、人の役に立つ喜びを実感できるでしょう。
よくある質問
- Q自分のことばかり考えているかどうか、どうすればわかりますか?
- A
自分の行動や考え方を振り返り、他人の視点に立って考えてみましょう。
「自分は、他人からどう見られているだろうか?」「自分の行動は、周りの人にどのような影響を与えているだろうか?」と自問自答してみるのが効果的です。
- Q「奪う人」「支配する人」「逃げる人」のどれにも当てはまる気がするのですが、どうすればいいですか?
- A
誰しも多かれ少なかれ、これらの傾向を持っているものです。
大切なのは、自分の傾向を自覚し、少しずつ改善していくことです。
まずは、自分の行動を客観的に見つめ直し、他人の立場に立って考えるように心がけましょう。
- Q共同体感覚を高めることで、具体的に、どのようなメリットがありますか?
- A
共同体感覚を高めることで、幸福感や充実感が増し、人間関係が円滑になります。
また、困難な問題にも前向きに取り組むことができるようになり、自己成長にもつながります。
- Q共同体感覚は、訓練で、高めることができますか?
- A
はい、できます。
共同体感覚は、意識的に行動することで高めることができます。
小さな親切を心がけたり、感謝の気持ちを言葉で伝えたり、ボランティア活動に参加したりするなど、できることから少しずつ始めてみましょう。
最後に
「自分のことばかり考える人」は、一見得をしているように見えても、実は本当の幸せから遠ざかってしまっています。
アドラーが説くように、「奪う人」「支配する人」「逃げる人」は幸せになることができません。
「共同体感覚」を高め、他者と協力し、貢献する喜びを知ることで、より豊かで充実した人生を送ることができるのです。
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