子育てをしていると、日々いろいろな悩みに直面しますよね。
特に、子どもが10歳前後になると、心も体も大きく成長し、自我が芽生え、反抗的な態度を取ることも増えてきます。「このまま、どうやって接していけば良いのだろう?」と、不安になることもあるかもしれません。
特に、10歳という時期は、子どもの人生における重要な「分かれ道」とも言えます。
この時期に、アドラー心理学に基づいた子育てを実践することで、子どもの未来をより良い方向へ導くことができるかもしれません。
この記事を読んで、アドラー心理学に基づいた子どもとの接し方、声かけのヒントを得ていただければと思います。
10歳は人生の大きな節目!
レイコ:先生、こんにちは。今日は娘のことで相談があって伺いました。
最近、娘の態度が、ちょっと反抗的というか、難しくなってきたように感じていて…。
ちゃんこ先生:こんにちは、レイコさん。なるほどお嬢さんのことでお悩みなのですね。
レイコ:はい。少し前までは素直で明るい子だったのに、最近は口答えも多くて、どう接していいか分からなくて困っています。
何か、良い方法はないでしょうか?
ちゃんこ先生:なるほど。まずは落ち着いてください。
結論から言うと、娘さんは今、精神的な自立の真っ最中なのですよ。
レイコ:精神的な自立…ですか?
ちゃんこ先生:そうです。まず理解してほしいのは、10歳前後の時期は、心も体も大きく成長し、自我が芽生える時期なのです。
そして、親から精神的に自立しようとする、人生の大きな節目だとも言えます。
今までのように親にべったりではなく、自分なりの考えを持ち、それを主張したくなる時期なのですね。
それを、親である貴女が理解しようとしないと、子供との間に溝が生まれてしまいます。
レイコ:なるほど…。それで、少し反抗的な態度を取るようになったんですね。
ちゃんこ先生:お嬢さんは、決して「反抗したいから反抗している」訳ではないのです。
「自分の事を理解してほしい」というSOSの様なものです。
レイコ:たしかに、前よりも、「どうして分かってくれないの?」と言うことが増えたような気がします。
ちゃんこ先生:それはまさに、「自分の事を理解してほしい」と言う心の叫びなのです。
そういったお子さんの態度を、「反抗期」と一言で片づけてしまうのではなく、なぜそのような態度を取るのか、その背景にある子どもの気持ちを理解しようとすることが、とても大切なのです。
アドラー心理学で、子供との関係を好転できる。
レイコ:子どもの気持ちを理解する…。
具体的には、どうすれば良いのでしょうか?
ちゃんこ先生:はい。ここで役立つのが、アドラー心理学です。
アドラー心理学は、オーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーが提唱した心理学で、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」ということを考える心理学です。
レイコ:アドラー心理学を学べば、娘との関係が良くなるのでしょうか?
ちゃんこ先生:必ず、とは言えませんが、考え方の1つとして、子供との関係を好転させる大きなヒントがたくさんあります。
アドラー心理学では、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とさえ言っているくらいですからね。
レイコ:対人関係の悩み、ですか?
ちゃんこ先生:はい。アドラー心理学の考え方、特に「勇気づけ」や「共同体感覚」といった考え方を理解し、実践することで、お子さんとの関係をより良くしていくことができるでしょう。
勇気づけとは?
レイコ:勇気づけ…ですか?
ちゃんこ先生:はい。アドラー心理学では、「勇気づけ」とは、「困難を克服する活力を与えること」と定義しています。
子どもが何かに挑戦しようとしている時、失敗を恐れずに「やってみよう!」と思えるような声かけやサポートをすることが大切です。
レイコ:具体的には、どのような声かけをすれば良いのでしょうか?
ちゃんこ先生:例えば、テストの点数が悪かった時、「なんでこんな点数なの!」と叱るのではなく、「今回は残念だったけど、次は一緒に頑張ろう」と、次に繋がるような声かけをすることです。
また、「あなたは頑張ればできる」という、本人の可能性を信じる声かけも効果的です。
結果や能力だけを評価するのではなく、本人の努力やプロセスを認めることが大切なのです。
レイコ:なるほど…。
ついつい、結果だけを見て叱ってしまっていたかもしれません。
ちゃんこ先生:子供は、怒られて伸びるものではありません。
親に自分の存在を認めてもらっていると感じることで、子供の「自己肯定感」が育ち、それこそが、困難を克服する活力、つまり、「勇気」に繋がります。
共同体感覚とは?
レイコ:では、共同体感覚とは何でしょうか?
ちゃんこ先生:共同体感覚とは、「自分が共同体の一員であると感じ、そこに自分の居場所があると感じること」です。
共同体とは、家族や学校、地域社会など、自分が所属するあらゆる集団のことを指します。
レイコ:自分が共同体の一員であると感じる…。
ちゃんこ先生:はい。子どもが「自分はここにいて良いんだ」「自分は必要とされているんだ」と感じられるような環境を作ることが大切です。
そのためには、子どもを一人の人間として尊重し、対等な関係を築くことが重要です。
レイコ:対等な関係、ですか?
ちゃんこ先生:はい。親だからといって、上から目線で命令したり、支配したりするのではなく、子どもの意見にも耳を傾け、一緒に考える姿勢が大切です。
また、家族の一員として、家事などを一緒にすることも、共同体感覚を育む上で効果的です。
レイコ:なるほど。娘にも、もっと家事を手伝ってもらおうかな。
ちゃんこ先生:はい、ぜひそうしてみて下さい。
子供は、誰かに必要とされていると感じることで、自己肯定感が上がります。
親や先生は、子供の自己肯定感を下げないようにすることが大事なのです。
10歳からのアドラー流子育てで、未来を明るく!
レイコ:アドラー心理学、奥が深いですね!
「勇気づけ」や「共同体感覚」を意識して、娘と接してみようと思います。
ちゃんこ先生:そうですね。10歳は、子どもの人生にとって、とても大切な時期です。
この時期に、アドラー心理学に基づいた子育てを実践することで、子どもの自己肯定感を高め、自立心を育み、将来、困難に直面しても、自分の力で乗り越えていける力を養うことができるでしょう。
レイコ:先生のおかげで、何だか希望が見えてきました!
ちゃんこ先生:子育てに正解はありません。
ですが、アドラー心理学は、その大きなヒントとなるはずです。
お嬢さんと一緒に、試行錯誤しながら、より良い関係を築いていってくださいね。
レイコ:はい、ありがとうございます!
よくある質問
Q. アドラー心理学の子育ては、何歳から始めるのが良いですか?
A. アドラー心理学の子育ては、何歳からでも始めることができます。
もちろん、早ければ早いほど良いですが、10歳前後のお子さんにとっても、遅すぎるということはありません。
大切なのは、親自身がアドラー心理学を学び、実践しようとする姿勢です。
Q. アドラー心理学を実践すれば、子どもの問題行動は全て解決しますか?
A. いいえ、必ずしもそうとは限りません。
子どもの問題行動には、様々な要因が絡み合っているため、アドラー心理学だけで全てが解決するわけではありません。
しかし、アドラー心理学の考え方を理解し、実践することで、問題行動の改善に繋がる可能性は十分にあります。
Q. アドラー心理学以外にも、子育てに役立つ心理学はありますか?
A. はい、もちろんあります。
例えば、発達心理学や、臨床心理学なども、子育てに役立つでしょう。
大事なのは、1つの考え方に固執せず、様々な考え方の良いとこ取りをして、自分たちなりの子育てを見つけることです。
まとめ
10歳前後は、子どもの人生における重要な「分かれ道」です。この時期に、アドラー心理学に基づいた子育てを実践することで、子どもの自己肯定感を高め、自立心を育み、より良い未来へと導くことができるでしょう。
アドラー心理学は、親子の絆を深め、子どもの成長をサポートする、力強い味方となるはずです。
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