アドラー心理学「弱さの力」〜赤ちゃんが最強な理由

赤ちゃん最強説 心理学(アドラー,フロイト,ユング等)
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アドラー心理学を学んでいると、一見矛盾しているような言葉に出会うことがあります。
弱さは強さである」という言葉もその一つでしょう。
「弱さ」と「強さ」は真逆の概念のはずなのに、一体どういうことなのでしょうか?

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弱さは強さ?一体どういう意味?

レイコ:ちゃんこ先生、「弱さは強さである」というのはどういう意味ですか?

ちゃんこ先生:たしかに「弱さ」と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれません。
しかしアドラーは「弱さは強さである」と言いました。
これは一見矛盾しているように見えますが、実は人間の本質を突いた言葉なのです。
次に具体的な例をあげますね。

赤ちゃんは家族の支配者?

ちゃんこ先生:たとえば、赤ちゃんを例に考えてみましょう。
赤ちゃんは、一人では何もできません。
食事も、排泄も、移動も、すべて大人の助けが必要です。
しかし、泣けばおむつを替えてもらえますし、お腹が空いたらミルクをもらえます。

泣くという「弱さ」を使って、周りの大人たちを動かしているのです。
アドラーは「事実、泣く赤ん坊の要望に逆らうことができる親はいない。」とまで言いました。

レイコ:ですね…。泣いてる赤ちゃんを無視するのは絶対無理です…。

ちゃんこ先生:赤ちゃんは、泣くことで自分の欲求を満たし、周囲をコントロールしているとも言えます。
これは、赤ちゃんが「弱さ」を「強さ」に変える力を持っていることの証なのです。

病気と「弱さ」の関係

ちゃんこ先生:この「弱さ」を「強さ」に変える力は、大人になっても見られます。
たとえば、病気になった時を考えてみましょう。
体調が悪いと、誰かに頼りたくなるのは当然ですよね。

野沢:わかります。私も以前、風邪で寝込んだ時、妻にいろいろと世話をしてもらいました。
普段はあまり甘えたりしないのですが、あの時はとても心細くて…。

ちゃんこ先生:病気という「弱さ」があるからこそ、周りの人の優しさを感じられることもあります。
また、病気になることで、普段は言えないような本音を言えたり、わがままを聞いてもらえたりすることもあるでしょう。
アドラー心理学では、これを「疾病利得」と呼びます。

レイコ:疾病利得…ですか?

ちゃんこ先生:疾病利得とは、病気や怪我をすることで得られる利益のことです。
もちろん、わざと病気になろうとする人はいません。
しかし、無意識のうちに「病気になれば、周りの人が優しくしてくれる」「病気になれば、嫌なことをしなくても済む」と考えてしまうことはあるのです。

弱さをアピールして優位に立つ?涙の力とは

ちゃんこ先生:アドラーは、「涙」も「弱さの力」の一つだと考えました。
「水の力」と呼んだ「涙」は、相手の心を動かす強力な武器になり得ます。

野沢:たしかに、女性の涙には弱いかもしれません…。
泣かれると、つい許してしまったり、言うことを聞いてしまったりすることがあります。

ちゃんこ先生:涙を見せることで、同情を引いたり罪悪感を抱かせたりして、相手をコントロールしようとする人もいます。
アドラーは、これを「劣等コンプレックス」の一つの表れだと考えました。
劣等コンプレックスとは、自分が他人よりも劣っていると感じることで生まれる感情です。
この劣等感を隠すために、あえて弱さをアピールすることで優位に立とうとするのです。

優越コンプレックスと劣等コンプレックス

ちゃんこ先生:そして、この劣等コンプレックスと密接に関係しているのが「優越コンプレックス」です。
優越コンプレックスとは、自分が他人よりも優れていると過剰に思い込むことで、劣等感を隠そうとする心の働きです。

野沢:え、劣等感を感じているのに優れていると思い込むんですか?なんだか矛盾しているような…。

ちゃんこ先生:一見矛盾しているように見えますが、実は表裏一体なのです。
強い劣等感を持っている人ほど、それを隠すために必要以上に自分を大きく見せようとします。
例えば、自分の学歴や収入を自慢したり他人を見下すような態度を取ったりする人がいます。
これは、優越コンプレックスの典型的な例です。
そして、アドラーは「優越コンプレックスには劣等コンプレックスが隠されており、劣等コンプレックスには優越コンプレックスが隠されている」と言いました。

レイコ:なるほど…。つまり、強がっている人ほど、実は弱い部分を隠しているかもしれないということですね。

ちゃんこ先生:その通りです。強さと弱さは紙一重なのです。

本当の強さとは

ちゃんこ先生:では、「弱さ」を「強さ」に変える力は、悪いことなのでしょうか?

タイキ:うーん…、相手をコントロールしようとするのは、あまり良くないことだと思います。

ちゃんこ先生:そうですね。自分の欲求を満たすためだけに「弱さ」を利用するのは健全な関係とは言えません。
しかし、「弱さ」を認めることは、本当の強さにつながるのです。

レイコ:弱さを認めることが、強さにつながる…?

ちゃんこ先生:はい。自分の弱さを認め、受け入れることで初めて人は成長できるのです。
弱さを隠そうとせず、素直に助けを求めることができる人は、周りの人から信頼され愛されます。
そして、困った時にはきっと誰かが手を差し伸べてくれるでしょう。
これこそが、本当の「強さ」なのです。

野沢:なるほど…。弱さを認めることは恥ずかしいことではないんですね。

ちゃんこ先生:その通りです。弱さを認め、受け入れ、そして乗り越えていく。
その過程で、人は本当の強さを身につけていくのです。
そして、冷静に話し合えばいいのです。
話し合うことでお互い協力体制を築き、より良い人生にしていけるはずです。

よくある質問

Q
「弱さ」を「強さ」に変えるためには、どうすればいいですか?
A

まずは、自分の弱さを認めることが大切です。
そして、必要以上に強がったり、弱さを隠したりせず、素直に助けを求めるようにしましょう。
そうすることで、周りの人との信頼関係が深まり、本当の強さを身につけることができるはずです。

Q
優越コンプレックスや劣等コンプレックスに陥らないためには、どうすればいいですか?
A

他人と比較するのではなく、自分の成長に目を向けることが大切です。
過去の自分と比べて、どれだけ成長できたかを考えてみましょう。
そして、自分の良いところも悪いところもすべて受け入れるように心がけましょう。

Q
赤ちゃんが泣くのは、本当に「弱さ」を「強さ」に変えているのですか?
A

はい、赤ちゃんは泣くことで自分の欲求を伝え周囲を動かしています。
これは、赤ちゃんが生まれながらに持っている生き抜くための知恵とも言えるでしょう。
ただし、成長するにつれて、泣くだけではなく言葉や行動で自分の気持ちを伝えられるようになることが大切です。

まとめ

ちゃんこ先生:「弱さは強さである」という言葉は、一見矛盾しているように見えますが、実は人間の本質を突いた深い言葉です。
自分の弱さを認め、受け入れることは、本当の強さにつながります。
そして、弱さを隠さず、素直に助けを求めることができる人は、周りの人から信頼され愛されるのです。
アドラーの言葉を通して、皆さんが自分自身の「弱さ」と向き合い、本当の「強さ」を身につけるきっかけになれば幸いです。

弱さを使って人を動かすのはやめよう!

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