【本要約】幸せになる勇気 〜自己啓発の源流「アドラー」の教えII

「仕事に追われ、人間関係に疲れ、将来に漠然とした不安を感じる…」
「もっと幸せになりたいのに、方法がわからない…」

そんな悩みを抱えていませんか？

『幸せになる勇気』は、現代人の悩みに「どうすれば幸せに生きられるか」という答えを提示する一冊。
世界で累計755万部、国内235万部突破の『嫌われる勇気』の続編であり、完結編です。
アドラー心理学をより実践的に掘り下げた本書は、あなたの人生を劇的に変える可能性を秘めています。

本記事では、要約と解説を通して、アドラー心理学の実践方法を具体的に紹介。
前作未読でも楽しめるよう基礎から丁寧に解説します。
私自身の実践で得た気づきも交え、今度こそ「幸せ」を掴みたい全ての人にお届けします。

『幸せになる勇気』著者：岸見一郎と古賀史健の経歴

まずは、本書を執筆した著者二人を紹介します。

岸見一郎氏: アドラー心理学の第一人者

岸見一郎氏は、1956年京都府生まれ。アドラー心理学の日本における第一人者として知られる哲学者です。
京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学後、西洋古代哲学を専門としつつ、1989年よりアドラー心理学の研究に没頭。
日本アドラー心理学会認定カウンセラーおよび同学会顧問を務め、精力的に執筆・講演活動を行っています。

古賀史健氏: ベストセラーを生み出すライター

古賀史健氏は、1973年福岡県生まれ。
株式会社バトンズ代表を務める実力派フリーランスライターです。
出版社勤務を経て1998年に独立、聞き書きスタイルの執筆で多くのベストセラーを生み出してきました。
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』では、卓越したライティング技術で岸見氏との共著を大ベストセラーへと導きました。

Amazonオーディオブック版も出版されており、てらそままさき氏と金野潤氏がナレーターを務めています。
また、audiobook.jp でも配信されています。

アドラー心理学とは？『幸せになる勇気』で学ぶ5つの基本原則

『幸せになる勇気』理解のために、アドラー心理学の基本を解説します。

アドラー心理学は、アルフレッド・アドラーによって創始された心理学です。
「人は誰でも幸せになれる」という信念のもと、従来の心理学とは一線を画す独自の理論を展開しました。特徴は、過去のトラウマや無意識ではなく、「目的」を重視する点です。

■アドラー心理学の5つの基本原則

原則	概要	具体例
自己決定性	人は自分の人生を自分で決める力を持っている。	キャリアチェンジ、新しい趣味を始めるなど、自分の意志で人生の方向性を決める。
目的論	人の行動には全て「目的」がある。	引きこもりの人は、「外に出たくない」目的のために不安や恐怖を利用している。
全体論	人間を「心」と「体」などに分割せず、一つの統一された存在として捉える。	ストレスで体調を崩すなど、心と体は密接に関連している。
認知論	人は、世界をありのままに見ているのではなく、自分なりの解釈で世界を認識する。	同じ失敗を「良い経験」と捉える人もいれば、「自分はダメだ」と捉える人もいる。
対人関係論	全ての悩みは対人関係に起因する。 良好な対人関係が幸福な人生への鍵となる。	職場や親子関係の悩みなど、多くの悩みは他者との関係性から生まれる。

アドラー心理学の魅力：未来志向で、今を変える力

アドラー心理学の魅力は、過去ではなく、未来志向である点です。
過去は変えられません。しかし、未来は、自分の意志と行動で、いくらでも変えられます。
アドラー心理学は、「今、ここから、未来をより良く生きる力」を与えてくれるのです。

『幸せになる勇気』から学ぶ幸福論: 実践方法を対話から紐解く

『幸せになる勇気』は、前作から3年後、教師となった「青年」と「哲人」の対話形式で進行します。

青年は、教師として生徒と向き合う中で、アドラー心理学の実践に困難を感じ、哲人にその真髄を問います。
例えば、問題行動を起こす生徒への対応に悩む青年へ、哲人はその行動の背景にある“目的”を理解し、適切な対応をする重要性を説きます。

この対話を通して、読者はアドラー心理学をより深く理解し、実践のヒントを得られます。

共同体感覚とは？『幸せになる勇気』が示す幸福と勇気の深い関係

アドラー心理学では、「勇気」は困難を克服する活力と定義されます。
『幸せになる勇気』で焦点が当たるのが、この「勇気」を育む方法と「共同体感覚」との関係です。

共同体感覚とは、自分が共同体の一部であるという感覚であり、他者に貢献することで得られる所属感や共感です。
他者と繋がり、貢献することで、孤独や無力感から解放され、幸福を実感できます。

本書では、真の幸福とは「他者への貢献」であると説かれます。
「自己中心性」から脱却し、他者との「協力」を重視する。自分の利益だけを追求するのではなく、他者の幸福に貢献することで、結果的に自分自身も幸せになれるのです。つまり、「幸せになる勇気」とは、「共同体感覚」を育み、「他者へ貢献する」ための勇気なのです。

他者貢献が幸福につながる理由

他者貢献は、

• 自分の存在意義を感じられる
• 自己肯定感が高まる
• 孤独感が解消される

などの効果をもたらし、幸福感へと繋がります。

アドラー心理学を実践！
『幸せになる勇気』の教えを日常に取り入れる6つのステップ

『幸せになる勇気』を元に、アドラー心理学を日常で実践する6つのステップを紹介します。

ステップ1. 課題の分離: 人生の主導権を取り戻す

自分の課題と他者の課題を明確に区別し、自分の課題にのみ集中することが重要です。

例：子供の勉強は子供の課題。親は、強制ではなく、勉強しやすい環境を整えるなど、自分の課題に集中すべきです。

近年聞かれる「自己責任」は、「課題の分離」に通じます。
自分の人生の主導権を自分で持ち、責任を持って選択し行動することが、真の自立へ繋がります。

注意点:
「課題の分離」は無関心ではありません。
「自分のコントロールできる範囲」に集中し、適切な距離感で他者と関わることが重要です。

ステップ2. 水平関係: より良いコミュニケーションを実現

他者と上下関係ではなく、対等な関係を築くこと。
アドラーは、全ての人間は対等で、互いに尊敬し合うべきだと考えます。

例：職場では、上司と部下という役割はあっても、人間としては対等。
威圧的な態度はせず、一人の人間として尊重し、意見に耳を傾けることが重要です。

この考えは職場でのコミュニケーションやコラボレーションに応用でき、より良い人間関係と、生産性向上に繋がります。

水平関係を築く方法:
相手を傾聴し共感的に理解する、感謝を言葉や態度で表すなど。
私自身、後輩と接する際に意識し、チーム全体のパフォーマンス向上を実感しています。

ステップ3. 共同体感覚: 人生に意味と喜びを見つける

家族、職場、地域など、自分が所属する共同体の中で、他者と協力し、貢献することで育まれます。

例：地域の清掃活動で、地域社会への貢献を実感し、住民同士の繋がりも深まります。

ヒント:
身近なコミュニティで、自分にできる小さな貢献から始め、共通の目的を持つ仲間と活動するのも効果的です。

ステップ4. 自己受容: 自己肯定感を高める

長所だけでなく、短所も含めたありのままの自分を受け入れること。
不完全な自分を認め、許すことが第一歩です。

例：「仕事が遅い」短所を認め、「丁寧な仕事ができる」長所にも目を向ける。

自己受容を深めるワーク:
自分の長所と短所を書き出し、短所を「自分らしさ」として肯定的な言葉に言い換えてみましょう。

ステップ5. 貢献: 自分の存在価値を実感する

他者に貢献することで、自分の存在価値を実感し、人生に意味を見出すこと。
貢献の形は様々です。

例：仕事で顧客に価値提供、家事で家族を支える、ボランティアで社会貢献など。

ポイント:
得意なことや興味のある分野で貢献し、「誰かの役に立っている」という実感を大切にしましょう。

ステップ6. 問題行動への対処: 子育てや教育現場で活きる

問題行動の背景には“目的”があると捉え、その目的を理解し、適切な対応をすることで、改善に繋がります。

例：子供の問題行動は、「注目されたい」目的かも。頭ごなしに叱らず、子供の話に耳を傾け、適切な注目を与えることが重要です。

対処法:
問題行動を「悪いこと」と決めつけず背景の「目的」を探り、気持ちに共感し理解を示し、良い行動を積極的に褒めましょう。

アドラー心理学をさらに深く学ぶためのおすすめ書籍・情報源

書籍

• 『嫌われる勇気』 (岸見一郎, 古賀史健): アドラー心理学の入門書として最適。
• 『アドラー心理学入門』 (岩井俊憲): 理論を平易な言葉で解説。
• 『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』 (小倉広): アドラーの言葉を現代人へのメッセージとして再構築。
• 『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』 (小倉広): さらに実践的なアドバイスが満載。

ウェブサイト

• 日本アドラー心理学会: 学術的な情報やイベント情報などを提供。

【FAQ】よくある質問

結論：「幸せになる勇気」を手に入れ、より良い人生を

『幸せになる勇気』は、「共同体感覚」と「勇気」を軸に、「より良く生きる」ための具体的な指針を示してくれます。
あらゆる場面で応用可能で、他者と関わりながら生きる現代人にとって、「共同体感覚」を育むことは、より良い社会を構築する上でも極めて重要です。

「幸せになりたい」と願いながらも方法がわからない人に、「自分の幸せは、自分自身の手で掴み取れる」と力強いメッセージを届けます。
他者貢献で人生の意味と幸福を見出す教えは、現代を生き抜く私たちに希望となるでしょう。

私自身、実践で以前より前向きに行動できるようになり、少しずつ「幸せになる勇気」を育み、充実した人生を実感しています。

さあ、あなたも『幸せになる勇気』を手に取り、アドラー心理学の世界へ一歩踏み出しませんか？
この本が、あなたの人生をより豊かにするヒントとなることを心から願っています。